昨今スマートフォンの普及により「画質のいい写真を撮る」という行為においては、少しメモを取る程度の手軽さとなって久しいと思います。
お食事処では食べる前に写真を撮る方が老若男女問わず見かけられますよね。
SNS文化の普及とともに、写真には思い出を残すほかに、「いい写真、出来事を良い形で世界と共有したい」などとニーズが写真のクオリティの向上に向かっている気もします。
現在ではスマートフォンでの加工技術の向上や、今ではAIの処理で映像媒体が編集できる時代であり、若い方々にとっては手軽さこそが重要なのかもしれません。
しかし、写真の質を上げるのであれば一度古い技術や、製品に立ち返ってみるのはどうでしょうか。
ということで、前置きが長くなりましたが私の趣味である「一眼レフカメラ」等の紹介をさせていただこうかと思います。
まず一眼レフカメラとはなんぞやという事ですが、一眼レフカメラとは、「撮影に使用するレンズと撮像面の間に鏡が……」と定義はあるのですが、ここではファインダーを覗いて撮影ができるものと考えてください。等というくらい種類は多いのですが今回は割愛させてください。
一眼レフのいいところは何といっても、「撮影する際の自由度の高さ」と「工夫をして撮影している感」と私個人は思っています。
一眼レフを扱う際の敷居の高さとして、設定の難解さを挙げる方が多いかと思うのですが、
用語として「F値(明るさ)」「シャッタースピード」「ISO感度」を覚えてしまえば自分の取りたい写真に近づけます。
まず一番聞きなれないF値とは「どれだけレンズ内に光を取り込むか」の設定で数値が低いほど明るくなります。しかし、ことカメラにおいては「ボケをどれだけいれるか」で設定することが多い気がします。このF値数値が低いほど狙いを定めた焦点の周りがぼやけます。詳しくは後程。
次にシャッタースピードですが文字通り「撮っている(光を入れている)時間の長さ」です。1/60等で表記されますが、母数が小さいほど手振れに左右されにくく扱いやすくなります。
最後にISO感度ですが、こちらは「画質の良さ」だと思ってください。数値が低いほど画質が良いです。しかし、この数値が高いほど写真を明るくできます。
上記を踏まえて下の写真を見比べてほしいと思います。
上を通常とした場合F値を下げると、
とても暗くなります。
さらにシャッタースピードを変えた場合は、
とんでもなくぶれます(笑)
最後にF値を下げて他数値のバランスをとると……
最初の写真より写真の四隅がパッキリしたのが分るでしょうか。これがボケ具合の調節であり、ここを弄ったがためにほかの数値全てで調整を行います。
この様に撮影環境と撮りたいものに合わせて数値を弄って工夫するのが一眼の醍醐味だと思います。例えば星空を撮りたいのであればF値を上げ、シャッタースピードを下げ、ISO感度を上げれば明るい星空が撮れます。しかし、画質を落としたくないのであれば、ISO感度をそのままにシャッタースピードをさらに下げ、手振れしないように時間をかけて撮影ができます。
ポスター等で星空が回っている写真もこちらを利用したもので、カメラを固定し、長時間光を入れっぱなしにすることで普段点にしか見えない星の光を、地球の自転を利用して線として撮影しています。
他にも、いくつも種類のあるレンズを変更するほか、さらに昔のフィルムのカメラで撮影しても質感や出来栄えが普段スマートフォンで撮る写真とは全然違うので面白いのですが、この機会に紹介しきるのは難しいため機会があれば調べてみてくださいね。
フィルムで撮影すると感光(過剰に光が入る)したり、画質の低さも味となって面白いです。
便利なものは身近に増えたけど、何事も楽しいと思えることを大事にしていきたいものですね。
自分の撮影したいものがあるけどスマートフォンじゃなかなか表現できない…となった際は是非昔のカメラにも手を伸ばしてみてください!
瀧本